ハクビシンの生息地は、中国大陸南部を中心に、マレーシアインドネシアのジャワ島やスマトラ島、ボルネオ島などの東南アジア、インドネパールなどの南アジア、さらに台湾、日本で、アジアの暖かい地域が中心である。

日本においては、現在はほぼ全国に分布している。

ハクビシンのルーツがどこの国なのかという点では、今でも解明されていない。

ハクビシンは外来種か在来種か

ハクビシン 外来種 在来種

ハクビシンは日本の在来種なのか外来種なのかは確定していない

環境省は、移入時期がはっきりとしない、として明治以降に移入した動植物を対象とする外来生物法に基づく特定外来生物に指定していない。

鳥獣保護法により、狩猟獣に指定している。

ハクビシンと同様に人間社会に被害をもたらす動物にアライグマがいるが、ハクビシンは、アライグマが外来生物法で特定外来生物指定を受けているのと異なり、駆除対象となっていない。

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ハクビシンは外来種か在来種かの議論

ハクビシンが外来種であるという説は・・・

  • ジャコウネコ科の動物だが、日本にはジャコウネコ科はハクビシンしかいないこと
  • 日本国内でハクビシンの化石が発掘された記録がないこと
  • 南方に生息しているにもかかわらず九州での捕獲記録が少ないこと
  • 日本に棲むハクビシンが台湾のハクビシンと同じ系統と確認されたこと
  • 台湾の複数の特定の地域のハクビシンと同じ系統が日本国内で限られた地域に分布すること

などを根拠にする。

特に、明治時代に毛皮用として中国などから持ち込まれた一部が野生化したとの説が有力である。

ジャコウネコは、鎌倉時代に入来している。

また、唐蘭船持渡鳥獣之図に1833年、オランダ船が長崎に多数の動物を持ち込んだ中にジャコウネコが含まれている記録がある。

これがハクビシンであるかどうかは推定の域を出ない。

一方、在来種であるとの考えは、日本列島に現在生息しているハクビシンは、顔面の斑紋などが他の地域のものと異なることから、日本に自然分布する固有の種である可能性を示唆する。

また、江戸時代蒔絵に描かれた妖怪雷獣はハクビシンではないかともいわれていることも理由にしている。

まとめ

考古学的な化石がない点が外来種であることの大きな理由になるが、いつか発見されるかもしれないと考えれば、決定的な根拠にならない。

ハクビシンの人間生活への害のこと考えれば、ハクビシンを外来種扱いにして、特定外来生物の特例に認めてもらいたいと思う人は多いと思う。

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